BReINとは? BReINとは英語名の【Br ain e lasto-plasticity induction non-invasive selective in tegration】 の主要な単語の文字“ B ・R ・e ・I ・N ” を並べた略称です。 「脳」の英単語「BRAIN」と似ていますが、一箇所だけスペルが違います。「A」の箇所が小文字の「e」になっています。この理由は「e lasto-plasticity(弾塑性 ) 」 という概念を強調するためです。 BReINは複数のアプローチ(技法)から成る統合療法 です。その中の個別の技法はBrein と表記されます。これは脳弾塑性誘導法(Br ain e lasto-plasticity in duction)の略称です。
BReINは患者さん一人一人の状況を鑑みて、最適な Brein を組み合わせて行う統合療法&オーダーメイド施術 です。 そもそも多くの医療行為に「効果の個人差」が潜在しますが、これを無視することなく、むしろそこに焦点を当てるアプローチがBReIN だと言えます。 現代医学は基本的に個体差を考慮しない学問と言われていますが、人間は十人十色です。人それぞれみんな違います。これからはオーダーメイドの視点が増えていくことが予想されます。 なお当会が認定する認知科学統合療法士は『PCCA (Patient-Centred Clinical Approach)-患者中心の臨床アプローチ ー』という理念の下、共感と思いやりをもって相手に寄り添う施術を心がけています。
BReINの対象疾患 様々な疾病に対して脳弾塑性の誘導を試みる(脳に働きかける)と、非常に幅広い領域に効果発現を認めます。そのためBReIN は運動器、消化器、精神系、リハビリテーション、リラクゼーション等々が対象になります。以上を踏まえ、当会は「総合臨床アプローチ」という概念を掲げています。
Breinメニュー【BReIN個別テクニック】 ・2022年3月時点においてメニュー総数は27種あり、不定期に追加や削除といった見直しが為され、テクニックも随時アップデートされます。 ・施設によって提供できるメニュー数は異なります(各施設にお問い合わせください)。 ・apはアプローチの略です。
❶ アーシングタッチ・ap 【Earthing Touched approach】⤵・グラウンディングやアーシングの概念の下、施術者自身がアーシングされた状態でタッチングを行うと、被験者の帯電レベルが顕著に下がることを利用した技術。→解説ページ
❷ アングラクション・ap 【Angraction approach】⤵・Anti-gravity Traction(抗重力牽引)が語源。 ・関節を天井方向に牽引することにより関節包内に瞬時の自由落下運動を生じさせること(微小重力環境の醸成)を目的とした技術。 ・無意識下における情報処理の空白(抗重力反射の休息)が脳弾塑性を促す。→解説ページ
❸ インターリスニング (傾聴カウンセリング)・ap 【Interlistening approach】⤵・Interview-listening(問診傾聴)が語源。 ・米国の心理学者カール・ロジャーズが提唱した「傾聴姿勢」を軸に据えて、術者側の聴く力によって“気づき”をもたらす。 ・傾聴に徹する聴き手の態度が、患者さんの感情解放に繋がり、これが脳恒常性機能不全(BD)の回復を手助けする。
❹ オルファクション・ap 【Olfaction approach】⤵・嗅覚系に働きかける介入法。一般的なアロマテラピーでは主に植物から抽出された精油( エッセンシャルオイル)が用いられるが、当会が推奨する嗅覚アプローチは自然環境の再現性を重視する手法。→解説ページ
❺ スウィング・ap 【Swing approach】⤵・swing(揺らす・揺り動かす)が語源。 ・人間の皮膚は可聴域外の高周波音を感受(ハイパーソニック・エフェクト)したり撫でられたり揺すられたりすると、1/fゆらぎ成分を含んだミクロン単位の振動を引き起こし、これが脳を活性化させることが知られている(表皮振動効果)。 ・大脳皮質が発達した人類はコミュニケーション能力を最優先した結果、動物に備わっている様々な感覚処理系を退化させる一方で、体毛を失くして皮膚表面積を増やすことで外界の情報を感受しやすい“無毛のサル”になった。当テクニックは四肢を一定のリズムで揺らすことで前述の表皮振動を介して脳弾塑性を誘導する技法。
❻ スウィングタッチ・ap 【Swing touch approach】⤵・上記スウィング・アプローチは主に四肢を揺らすのに対し、この技法は体幹に手掌を当てがいつつ、術者自身のからだを微かに揺らすテクニック。これにより間接的に患者さんの身体に繊細な揺らぎ振動が伝わる。
❼ スキンダイレクト・ ap 【Skin direct approach】⤵・Direct contact with the skin(皮膚への直接接触)が語源。 ・術者の手を被験者の皮膚に直に触れつつ2種類の技法を使い分ける。関節周囲に対しては目に見えない皮膚回旋を誘導し、関節以外の部位に対しては天井方向やや頭側への滑走を誘導する。→解説ページ
❽ スキンラップ ・ ap 【Skin rapping approach】⤵・吸湿速乾性に優れたキャストパディング(ギプスの下巻き材)によって皮膚を保護するラッピング技術(皮膚に対する愛護的なアプローチは急性痛-ギックリ腰や肉離れ等-のコントロールを容易にする)。→解説ページ
❾ スージングサウンド ・ ap 【Soothing sound approach】⤵・soothing sound(心地いい音楽)が語源。 ・川のせせらぎ、虫音、雨音、嵐の音、風音、ホワイトノイズといった自然音は極めて広い周波数帯域と1/fゆらぎ成分、そして豊富な倍音を含んでいる。 ・施術現場のBGMに自然音を流すことで心身のリラクゼーションを図り、脳弾塑性の発現に有利な環境を創出する。→解説ページ
❿ ステアテーピング ・ ap 【stair-taping approach】⤵ ・皮膚の回旋滑走を考慮したキネシオテープの応用。遠位から近位に向かって蛇腹階段状に貼り合わせていくテーピング法。
⓫ ストローキング ・ ap 【Stroking approach】⤵・stroking=Petting softly(優しく撫でる)が語源。 ・主に術者の手掌を密着させて撫でるスウェーデン式のエフルラージュに対し、日本式とも言える本テクニックは術者の上肢全体を使いつつ潮騒のリズムで繊細に撫でる技法。日本の夏は高温多湿のため原則的に夏季には用いない。
⓬ タッチレス ・ ap 【Touchless approach】⤵・人体は体表面から数十センチほどの広がりを持った準静電界に覆われている。これは電波のように伝搬する性質がなく、人のみならず車両や物質の周りにも静電気帯電のように分布している。 ・準静電界はいわばレーダーのような役割を持ち、たとえば虫の接近などを気配として察知する役割を担っている。 ・エンパスを含めHSP系の人々ではこうした機能が亢進しているケースがあり、通常のタッチケアに副作用のごとき不安定な徴候を示すことがある。本テクニックはそうした感受性の強い方のために開発された技術。
⓭ チャッティング ・ ap 【Chatting approach】⤵ ・chat(おしゃべり)が語源。 ・オランダの臨床実験によりトークセラピー(会話療法)がうつ病の自殺率を低減させることが示されている。他方チャッティングは従来のトークセラピーに含まれるシリアスな会話を避け、より適度な距離感を維持する軽易な会話療法。
⓮ ニューロフィクス ・ ap 【Neurofixed approach】⤵・Neuro-fixationが語源。 ・「関節拘縮の実態は主動作筋と拮抗筋の同時収縮である」という脳原因論に基づき、関節拘縮を起こさせないことを主眼にした機能性固定装具(三上式プライトン固定)。→解説ページ
⓯ ニーヒール ・ ap 【knee-heel approach】⤵・knee(膝)とheel(踵)が語源。 ・ヒトが感じるくすぐったさの正体は小脳の予測と触覚入力の時間的ずれであることが分かっている。本テクニックは膝と踵にそれぞれ“接近する刺激”と“遠ざかる刺激”を同期させることで小脳回路に働きかけることが想定される。→解説動画(youtube)
⓰ HMO ・ ap 【Happy memory output approach】⤵・Happy memory(幸せな思い出)が語源。 ・ハッピーメモリーすなわち幸福の記憶を引き出すカウンセリング技法。「これまで生きてきた中で、すごく楽しかったこと、嬉しかったこと、感動したことなど、あなたの幸福ランキングを発表してもらってもいいですか?では1位から3位くらいまで…、どうぞ…」 ・英国ケンブリッジ大の研究で、幸せだった経験(出来事)を思い返すと、1年後のうつ病リスクが有意に低下することが分かっている。
⓱ Pリダクション ・ ap 【P-reduction approach】⤵・Polypharmacy risk reduction(多剤併用リスクの低減)が語源。 ・中高年とくに高齢者のポリファーマシー(多剤服用による害)に対する注意喚起を本人または家族に促すカウンセリング。→解説ページ
⓲ フードリング ・ ap 【foodling approach】⤵・Food counselingが語源。 ・脳腸相関に関わる様々な最新医学に基づき、腸内環境を改善させるための具体的な戦略を提案(個人の体質とのバランスを重視)。 ・最新の栄養学を踏まえつつ、食生活に関わる酸化・糖化・炎症の問題からミトコンドリア、NMN、ケトン体革命(脂肪燃焼系へのエネルギーシフト)に至るまで様々な次元を網羅した食事指導。小麦の問題をはじめ各論の視点からはIBSやUC、リーキーガットやSIBOにおけるFODMAPも含めた総合フードカウンセリング。 ・ブレノスタシス(脳内環境維持)を守護するグリンパティック系においてオートファジーを介したエピジェネティックな変化を起こすことを目的にしたファスティング(断食)についても、その相性を見極めて助言。
⓳ フラクシッドタッチ ・ ap 【Flaccid touched approach】⤵・flaccid paralysis(弛緩性麻痺)が語源。 ・術者の手指を極限まで脱力した状態(麻痺のごとく力の抜けた手)で患部に優しく触れる技術。 ・カナダで行われているマトリックス・リパターニング(外傷患部の圧電構造に生じる流動電流がヒトの手による触刺激によって正常化される)を日本人の繊細な感覚でアレンジ。→解説ページ
⓴ プランター ・ ap 【Plantar approach】⤵・足底に対して直接的または間接的に振動刺激を加える技法。一般に足底への介入は強刺激系が多くを占める中、当テクニックはリズミカルかつ繊細な信号(タッピング系)を脳に持続入力させる技術。 ・パーキンソン病の患者さんにメトロノームを聴かせると歩行が回復する現象が知られており、ヒトの脳はリズム刺激を入力すると運動神経回路の働きが整うことが分かっている。この現象を引き込み(エントレインメント)と言う。プランターのようなタッピング系のテクニックは“引き込み”によって脳の活性化を促すことが想定されている。
㉑ フレームヒーリング・ap 【Flame healing approach】⤵ ・炎=Flameが語源。1/fゆらぎ成分を含む炎のゆらぎを見る療法。視覚入力による脳弾塑性誘導法。 ・1/fゆらぎはヒトの心拍変動、小川のせせらぎ、木漏れ日、蛍の点滅など生物を含めた自然界の至るところで観測される(音響学ではピンクノイズと言われる)。 ・脳内振動子の研究ではニューロンのスパイクに1/fゆらぎが含まれることが分かっており、当会は脳内振動子が外部1/fゆらぎと共鳴すること(引き込み)によって脳弾塑性の発現が促されると推考している。→解説ページ 。
㉒ ヘデアー・ap 【Headair approach】⤵・Head&Hair(頭部&毛髪)が語源。 ・頭部へのタッチングおよびタッチレスならびに毛髪への微刺激を融合させた技術。
㉓ ミラータッチング・ap 【Tactile synchronous mirror therapeutic approach】⤵・鏡像認知錯覚を利用する従来のミラーセラピーを進化、発展させた手法。 鏡をはさんで左右異なる刺激を加えると視覚と触覚の統合処理に“補完”の機能が働く。これを利用して神経回路の再配線を促すテクニック。→解説ページ
㉔ ラブライト・ap 【Rub-write approach】⤵・Rub and Write(こすり書く)が語源。 ・認知症に対する検査法「スマヌ法」は被検者の背中に文字を描き(検者が指先で文字の形をこする)、これを正確に言い当てられるかを診る手段である。実はこの検査には治療としての効果が含まれる、すなわち本テクニックは認知症そのものを改善させる効果がある。 ・認知症のみならず、幼小児の発達障がい(当会は発達個性と呼称している)や脳卒中後遺症に対しても有効であることが判っている。
㉕ リングタップ・ap 【Ring tapping approach】⤵・術者の脱力した両手において中指、環指、小指の背側(爪母)を被験者の当該部位に添えつつ、輪(リング)状にした母指と示指でつまみ動作(指同士のタッピング)を繰り返すことで皮膚を介した間接的なリズム刺激を脳に入力させる技法。→解説ページ
㉖ レジリエンス・ap 【Resilience approach】⤵・心理学におけるResilience(回復力・逆境力)を高めることに主眼を置いたカウンセリング技法。 ・全ての物事には光と陰があるが、ネガティブな出来事に対して陰の側面を注視するマインドセットはレジリエンスを低下させる。そこで普段から光の側面を見出すマインドセット(光の解釈実践法)に転じることでレジリエンスを高めようとするカウンセリング。 ・自己肯定感および自己効力感に主眼を置きつつ、決して押し付けにならない配慮が重視され、原則インターリスニング(傾聴カウンセリング)と併行して行われる。
㉗ レヴィテーション・ap 【Levitation approach】⤵・自分の身体が重力から解放されて徐々に浮かび上がる様をセルフイメージする瞑想法。重力版マインドフルネス。
BReINの具体例 ◆例1)外傷 リングタップやフラクシッドタッチによる脳の鎮静(生体リラクゼーション)を図った上で、スキンラップやニューロフィクス(拘縮を起こさせない機能性装具)等々によって、その後のリハ負担を軽減します(そもそもリハ不要の回復プロセス を目指します)。◆例2)難治性疼痛 たとえばCRPS(RSD)に対しては、リングタップや傾聴カウンセリングによって脳の鎮静を図った上で、ミラータッチングやラブライト等々による神経回路の再構築、再編成 を促します。◆例3)脳卒中リハ リングタップ、アングラクション、プランター、チャッティング、ミラータッチング等々を組み合わせる統合リハビリテーション を行います。◆例4)パニック障害 タッチレス、傾聴カウンセリング、チャッティング、オルファクション、フレームヒーリング等々を組み合わせることで、脳恒常性機能不全(BD)による扁桃体↑ と前頭前野↓ といった代謝バランスの失調を回復させ ます。◆例5)炎症性腸疾患 フードリング、傾聴カウンセリング、リングタップ等々を組み合わせることで、脳腸相関における炎症回路および迷走神経反射等々の鎮静化 を図ります。
認知科学統合アプローチ(COSIA)に興味のある方へ 認知科学統合アプローチ(COSIA)は「認知科学と医療の融合」を表す概念であり、その起源は運動器プライマリケアにおける疼痛管理にあります。 画像ラベリングと痛みの原因診断が乖離する現状において、世界疼痛学会(IASP)は痛みの定義を改訂し、「痛みの感情起源説」にシフトしています。 COSIAに興味のある方は是非一度「医療者・セラピスト専用サイト」にお越しください。貴殿のご参画をお待ちしております。