
こちらのページ「急性外傷に対するタッチング」でも解説しているとおり、タッチングは慢性痛のみならず急性痛にも驚くべき効果を発揮します。
BReINの中の一つ「リングタップ」は痛みをはじめ様々な症状に使われるタッチング系の技術ですが、なんと
飼い主の方も驚いていましたが、それ以上に当の術者本人(筆者)もびっくり…。
人のてんかんに効果があるのは分かっていたのですが、まさか動物のてんかん、それも「これ以上発作が続くと命に関わる」と獣医から告げられていた重症例のワンちゃんを回復させるとは!
飼い主の方いわく、1年におよんだ施術が終了した後もずっと発作は起きていないそうです。
人の手による触覚刺激が、なぜこのように信じられないほどの効果を現すのでしょう?その理由を探るべく認知科学での検証が既に進められています。
近年、共感覚や
異種感覚の相互作用によって起こる錯覚です。例えば赤ワインを白く着色してテイスティングすると、専門家でも間違ってしまう(味覚が狂ってしまう)現象やマガーク効果(唇の動きと音声がミスマッチした動画を見ると、人は視覚を優先させて違う音に聴こえてしまう)などが有名です。
医療においては、筆者が開発した
人間の脳は同時に多種類の感覚が入ってくると、優先順位をつけることによって情報の入力を取捨選択します。痛みと触覚に対して、ヒトの脳は触覚を優先させるようにプログラミングされています。
そのため痛む場所にタッチすると痛みが和らぐのです。これが触痛覚クロスモーダル効果です。
「さわる、ふれる」という一見何でもなさそうな、ありふれた行為に意外なほどの除痛効果が潜んでいることは、オキシトシン研究の先進国スウェーデンでは既に常識であり、多くの医療介護福祉の現場でタッチングが行われています。
しかし日本では医療現場に普及されておらず、そもそもタッチングの効果が認知されていないため、見た目の立派な医療機器や注射、くすりのように“分かりやすい”療法に目が向きやすいのが現状…。
そのような中、NHKの「チコちゃんに叱られる」でタッチングの効果や胎内記憶による癒し効果が紹介され、少しずつではありますが一般の方々への認知が広まってきたように感じます。
是非とも下の動画をご視聴ください(3分ちょっとの動画です)。
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